忍者ブログ
好きな音楽のこと
[233]  [232]  [231]  [228]  [227]  [220]  [219]  [218]  [217]  [216]  [215
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


先週の火曜日、3月17日、
とうとう私は以前よりあたためてきたこの企画を実行した。

それは、かつて山崎まさよしが住んでいた桜木町の街をめぐるツアーである。


デビューが決まり上京してきた彼は、
「ここで音楽に専念するように」と事務所の寮であるこの桜木町のアパートで、
93年春から94年夏までの日々を過ごしている。

いわゆる下積み時代であり、
大きな夢を持ってこの町に出ては来たもののなかなか状況は進展せず、
まさやんはいつもひとりこの町をぶらぶらしていたそうだ。



“この辺はもうしょっちゅう歩いた。
やっぱりひまでねぇ。
マネキン運びのバイトやってたけどね、やっぱりひまで。
歩けばなんかあるやろ、と。
何もなかったけどな、そんな町や”



そんな“何もない町”(笑)を、まさやんの「最初の本」を片手に、
彼の16年前の足跡を追って歩き出した。








「山崎まさよし」、通称“最初の本”は、
彼の生い立ち~学生時代~そしてデビューまでの彼の軌跡が、
当時の心境などと重ね合わせて綴られている。

まさやんの本はたくさん持っているけれど、
これは私が一番好きな本である。
今回はこの本を参考に、桜木町のあちこちを巡り歩いた。


↓まさやん手書きの地図に添って、歩を進める。





↓紅葉坂の交差点。









↓この角を左に入る。
まさやんの住んでいた家に続く道へ。







↓途中で右に曲がる。この道の先にまさやんの昔の家が・・・?







あまりに周囲の建物が変わってしまったため、
ここが本当にそうなのかどうか分からない・・・
何かひとつでも手がかりになるような目印があればいいのだけど。
でも地図を見る限りこの道しか有り得ないし・・・
一応、元の道に戻ってあちこち歩き回ってみるが、ほかにそれらしき道は無い。
またこの場所に戻り、たぶんここだ、と確信し、周りの風景を感慨深く見渡す。

あとからネットで調べて分かったのだけど、確かに場所はここで合っていた。
間違いなくこの坂の先に、まさやんが昔住んでいたアパートがあったのだ。




↓今は、まさやんの住んでいたアパートは取り壊されてしまい、
道も途中で途絶えていた。










確かに16年もの月日が経てば、街も変わる。
でも・・・・ 胸を風が吹き抜けていくような淋しさが・・・

すごく静かな場所なんです。
大通りからも外れているし。
坂の一番上だから、空が広くてね。
さぞ見晴らしも良かったことと思います。

当時、何度もこの坂を往復したであろうまさやんを想像しながら、
しばらくここに立っていた。
”霞の向こうに 新宿が見える”と歌ったあのフレーズは、
かつてここにあったアパートの彼の部屋からの風景だったのだろうか。


元来た道へ戻り、そのまままさやんが「じぞう」と書いている場所へ向かった。


まさやんの地図の通り道を曲がると、
こんな住宅街の真っ只中にあるのが不思議なほどの立派なお寺が現れた。
「横浜成田山」である。けっこう有名なお寺であることを後で知る。
確かにお地蔵さんがあちらこちらに。
ちょっと変わったお地蔵さんで、赤ちゃんを抱っこしている。
よく見ると、お地蔵さんの足元にも赤ちゃんが。
「かわいい~」と思って写真を撮ろうとして、ハッとした。
ここはなんと、水子地蔵なのであった。
赤ちゃんを胸に抱くお地蔵さんの周りには、
おびただしい数のかざぐるまが、風に吹かれてカラカラ音を立てていた。

ちょ・・ちょっと、写真を撮るのはマズいかしら・・・
臆病風に吹かれ、お寺の写真は一枚も撮らないまま、
お寺の境内の、坂を下る石段をゆっくり降りていった。


と、そこで、道の脇の黒い岩にどうも見覚えが・・・・と思い、
ハッとして脇に抱えていた本を開く。

これだ・・・!

まさやんがこの岩をバックに佇んでいるページを発見。
同じ岩を探すと、すぐに見付かった。






でも、後ろの柵と建物(画像では分かりにくいんだけど)のバランスが、
本の写真と微妙に合わない。
16年の年月が経つにつれ、岩が少しずつ動いたのか・・・?

と腑に落ちないまま、道に沿って180度まわり更に階段を下りていくと・・・


ここだ!!!





そう、あの写真は、一段下に回りこんだ道から上を見上げるように撮った写真なのだった。
↑この手前の岩の上にまさやんが座っていたのだろう。
建物と柵のバランスもばっちり♪

何だかうれしくなって、ウキウキしながら更に階段をくだって行くと、
またまた見覚えのある風景が。





これは、上の写真の隣のページに載っている。
本にも2匹くらい写っているけど、亀がやたらたくさんいた。





一番下まで降り、本の写真の風景を探すが、見当たらないので、
諦めて次なる目的地「野毛山動物園」に行こうと、再び階段をのぼり元の道へ戻った。


まさやんの地図の通り、ビジネスホテル街を抜けて行こうと歩いて行くと、
やたら細い道に入り込んだ。

と、そこで、またもや発見!






↑さっきの岩の写真の前のページで、まさやんが立ってこっちを振り返っている写真の場所である。
うわー!と興奮して、写真をとりまくる(笑)
まさやんの昔の家はあとかたも無く消えてしまっていたけれど、
ここは本とまったく同じだ。
周りの塀、旅館の看板、コンクリートのひび割れまで、まったく変わってない。


この道でネコ発見↓ (特に意味はないけど)






この道を抜けるといきなり大通りに出た。
車がビュンビュン通っているし、人通りも多く賑やかな通りだ。

最初の紅葉坂の交差点の先を曲がってからは、ここが桜木町とは思えないくらい静かで、
あまり人とすれ違うことも少なかったし、やけに時間の流れがゆるやかに感じた。
特にあの水子地蔵からこの道にかけては、ちょっと異様な空気に包まれていたので、
空間的にも時間的にも別の場所に入り込んでしまったかのような錯覚に陥っていた。

この大通りに出たらびっくりするくらい雰囲気が変わって、
いきなりまた現実の世界に戻って来たかのような変な感じだった。


そこから野下山動物園は歩いてすぐだ。
途中、地図にもある図書館(横浜中央図書館)を通り過ぎ、
野下山公園の入り口へ。






公園の中を、案内標示にそって歩いて行く。
このあたり、坂が多いのでけっこう息があがる。

そして、「野下山動物園」に到着。


ここは無料の動物園なので、チケットなどを買う必要もなく、
そのまま入り口の中に入って行った。
無料なのにとても充実した動物園で、定番のライオン、キリン、クマ、などの大物から、
コンドル、フラミンゴ、エミューなど珍しい動物までかなりの種類の動物が揃っていた。

まさやんは特にペンギンがお気に入りだったらしい。
「ペンギン」ってタイトルの曲まで作ってるくらいだしね。


本の中でまさやんが楽しげな表情で眺めていたペンギン。
↓ちょうどこの位置に柵にもたれて立っているまさやんの写真が載っている。







“俺好きなんだ、ペンギン。ほんとに。このカンジが。
なぁ~歩いてるぅ~ってな”



ほかにゾウを眺めるまさやんの写真も載っていたが、
残念ながらもうゾウは数年前に死んでしまったようだ。



このあたりでもうヘトヘトだったんだけど、最後に地図に載っている展望台に上ってみた。

この本でまさやんがおにぎりを食べている売店は、今はもう無い。
広い公園みたいな場所なんだけど、奥に小さな展望台が確かにあって、
おじさんがひとりそこのベンチでお弁当を広げていた。

展望台には階段があって、2階まであるんだけど、
階段の入り口に「立ち入り禁止」の立て札がかかっていて、のぼることは出来なかった。

ここからは桜木町の町が一面に見下ろせる。
しばらくそこに佇んで景色を眺めながら、本をパラパラめくっていたんだけど、
そこでふいにあることに気付いた。

この本、カバーがまさやんのアップの写真でね、
とくにブックカバーなど掛けていない私は、さすがにまさやんの顔のまま持ち歩くのが恥ずかしかったので、カバーを外していたんです。
その方が持ち歩くにも便利だし。(カバーがすぐ外れそうになっちゃうから)
で、この本、カバーを外すとそこにある景色が印刷されているのね。
その写真を、背表紙まで広げてあらためて見てみると・・・

なんとそれは、この展望台からの眺めなのでした。







残念なことに、おそらく本の写真は展望台の上から撮ったものと思われる。
手前の緑色の屋根の建物が、もっと下に写っているし。

本当にここの景色かどうか、何度も何度も本と目の前の景色を見比べた。
この眺めもやっぱり随分当時とは変わっていたけど、
左右にあるホテルや、目の前の緑の屋根の家、その隣の家、
そして何より、ベイブリッチである。(画像ではよくわからないね^^;)
間違いなく、この写真はここからの風景なのである。



まさやんはこの桜木町についてこう語っている。


“歩くとおもしろさは見つけられたけど、おもしろいから歩いたわけじゃない。
やることなかったんだ。音楽以外にやることなんて何も無かった。
女もいなかったし。お金も使わない。吉牛食うぐらい。近くのコンビニの弁当とか。
とことん“ひま”だったよ。
だってやることなんてギター弾いて歌うことしかないわけで”


“横浜って、ひとりだったのよ、ほんと。ほんとひとりだったの。
ほんとにひとりだったから、ひとりのイメージが強くて、
こうして歩いてても、なんかさびしくなっちゃうんだよね。
“ひとりで歩いてたなー”なんて思うと。
いい土地だとは思うけど。
いつかまた住んでみたいとは思わない。
根底にある暗さは、拭い去れない――”



この本の桜木町の最後のページに、「僕の街」というタイトルの詩が載っている。
あちこち言葉を訂正してあったりする、まさやん手書きの歌詞である。
これは、アルバム「アレルギーの特効薬」に収録されている、「坂道のある街」という曲である。
(タイトルはあとで変えたんだね)


 ここの丘の坂道に慣れた頃
 君を迎えに行けるはず
 今は少し息が切れるけど
 いづれ僕の住む街になる




同じ桜木町なのに、みなとみらい側とはガラリと雰囲気が違う。
確かにまさやんの言うとおり、やたらと坂の多い街だった。
静かでどこか淋しげな通りのあちこちに、まさやんの影を感じて、
ちょっとセンチメンタルな気分に浸ってしまった^^;
ひとりでこの街を歩く若いまさやんが見えるような気がしたんだよなぁ。
当時のまさやんの孤独を、すこしだけ垣間見れたような、そんな時間でありました。



まさやんは孤独だったからこそ、
あれだけいくつものせつなく人の心に染み入る名曲を生み出せたのかもしれない。

今は、認めてくれる人も大勢いて仲間もいっぱいいて、
きっと昔より楽しく音楽が出来ていると思うけど・・

やっぱりいつかは、良き伴侶と共に幸せな家庭を築いてほしいな、と思うのです。
まさやんに幸せになって欲しい、と心から思うのです。




この「山崎まさよし」の本ですけど、本当にオススメですよ~
写真いっぱい載ってるし、まさやんのことがすごくよく分かります。
横浜市は図書館に置いてあるので、最初は私も図書館で借りたんです。
あとで買いなおしましたけど。
(横浜は上に出てきた中央図書館に1冊置いてあります。予約をすれば市内のどの館でも受け取り可能)





以上、まさやんゆかりの地めぐり~桜木町偏でした♪





拍手

PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
pick up!
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ご協力おねがいします☆
最新コメント
[07/17 マサンバ]
[07/14 りょうぶう]
[04/04 りょうぶう]
[03/08 アッカ]
[09/19 りょうぶう]
オススメ♪





『OUT OF THE BLUE ~B side集』 by 山崎まさよし







『アレルギーの特効薬』 
by 山崎まさよし







『歌うたい15』SINGLES BEST 1993~2007  by 斉藤和義







『空創クリップ』 
by スキマスイッチ







『Drunk Monkeys』 by大橋卓弥







『Dressed up to the Nines』 byゴスペラーズ


最新トラックバック
プロフィール
HN:
るん
性別:
女性
自己紹介:
音楽大好き♪の三十路2児の母です。どうぞよろしく♪
バーコード
スカルクロック
バーバリーブルガリティファニーフェンディプラダクリスチャンディオールブログパーツ

ブログ内検索
最古記事
カウンター
忍者ブログ [PR]

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.